こんにちは。
今日はいま話題のエッセイ本をご紹介します。
AVALANCHE~雪崩~
- 2020年8月5日発売
- 著者:手越祐也
はじめに断っておきます。
僕はジャニーズに対しての偏見もなければ、手越祐也というアイドルへの偏見もない。
名前を聞いて思い浮かぶとすれば、
- NEWSとテゴマスのメンバー
- 世界の果てまでイッテQ!
- サッカーの解説してたっけ
くらいなものです。
本人のイメージよりも、出演番組の方が先に出てくるくらい。
そんな一般ピーポーの僕が、このエッセイ本を読んで感じた素直な感想を語ってみたいと思います。
そのへんを考慮の上で、イチ読者の意見として捉えて・・
いや、もの凄~くやさしい気持ちで聞き流してもらえれば幸いです。
※一部ネタバレを含みますのでご了承ください。
著者 手越祐也
神奈川県に生まれ、15歳のときにジャニーズ事務所に入所。
わずか9か月でNEWSのメンバーとしてメジャーデビューを果たす。
4年後の20歳で、人気番組「世界の果てまでイッテQ!」のレギュラー出演を皮切りに、サッカー解説やドラマの役者としても活躍。
2020年4月、新型コロナウィルスによる非常事態宣言中に、複数人でのパーティーを開いたことが切っ掛けとなり、2020年5月に、ジャニーズ事務所は芸能活動中止を発表。
2020年6月にジャニーズ事務所を退所して、自身の会社を設立。
そして、2020年8月5日にエッセイ本を出版。
そのあと謝罪してたけど・・。
アピールにもなったと思うわ♡
この本を読んでみたいと思ったしね!
本のテーマ
これは、この本がどんなテーマで書かれているか?という事実ではなく、
読み終わった感想として感じたテーマを3つに絞ってみました。
- 果てしない野望
- 武勇伝
- 弁明
果てしない野望
まず、この本のタイトル「AVALANCHE~雪崩~」。
読み方は「アバランチ」。
※ここから一部ネタバレになります。
タイトルの雪崩という意味について、本編でこのように記されています。
「ひとひらの雪が降り積もり、やがて雪崩を起こすがごとく、いつの日か世の中に大きな影響力を与えたい」という強い意志を込めて本のタイトルとしました。
引用:AVALANCHE~雪崩~
人によっては、
「スキャンダルが発端で、芸能界から引退することになってしまった転落人生」
だから「雪崩」だと解釈した人も居たかもしれません。
でも、僕が連想していたイメージと近いものでした。
手越祐也というアイドルを深く知らない僕ですが、ニュースやテレビのイメージから、あまり悲観的に考える人ではないだろうなと感じていました。
本書でも彼自身がポジティブ人間であることを明言しています。
この本は、彼が込めた想い通りに、
彼が今後、世界に羽ばたいていきたいという野望が所狭しと記された本です。
武勇伝
この本で、彼のアイドルとしての経歴を知ることができます。
ファンの方なら、言うまでもなく知ってて当然レベルのことだと思います。
ジャニーズ事務所に入所してからいままでのアイドル人生を振り返り、ターニングポイントごとに起こった出来事が記されています。
彼の努力もあって、色々なチャンスをものにしてスピード出世をしてきたようです。
ただ、その表現方法について違和感を感じる点が多いのです。
全てではありませんが、次のような描写がとても強く印象に残ります。
- 他のジャニーズメンバーを下げる
- マウントアピール
弁明
この本では、
“手越祐也が出会ってきた芸能人“と題して、有名人の名前が出てきます。
それも1つの見出しを1人の芸能人に割り振っています。
なんとその数20名以上です。
彼が感銘を受けた芸能人や、その人たちとの馴れ初めが書かれています。
ですが醍醐味は、やっぱり「スキャンダル」です。
彼が過去に取り沙汰されたアイドル、タレントがピックアップされて一人一人について書かれています。
スキャンダル当時の秘話や真相を語ってくれています。
読んでみると、彼自身に非がないと思えるスキャンダルも多かったようです。
ですが、ここでも気になる違和感が
- 立場を理解していない
- 身勝手な自論
真実と異なるスキャンダルなのであれば、とことん反論するべきだと思います。
それに、事実無根のまま掲載して、見る人に誤解を与えてしまうようなあえて過激な見出しを作る週刊誌の方がよっぽど”悪“だと思います。
ただ彼の場合、アイドルという立場を守るために必要なはずが、
僕からすると、飲み会を始める前に、飲む相手に身分証明書を提示させて、実年齢を確かめるなんてできません。
故意に悪いことをやったわけでもないのに、なぜ生放送で頭を下げなければいけないのか、
引用:AVALANCHE~雪崩~
また、新型コロナウィルスの影響による外出自粛中の外出について、
自宅にいようが銀座や六本木にいようが、世界の果てまで行こうが、僕にとってはどこにいても、地球上が自分の家なのです。
引用:AVALANCHE~雪崩~
と語っています。
それで『ボク悪くないでしょ!?何か間違えてる!?』と訴えかけられても、説得力がありません。
それに、誰もが一番知りたいであろう女性とのスキャンダルネタの真相については、
「スルー」 そして 「すり替え」
という荒業!
ま、アイドルとしてそこまで詳しく書くのはまずいでしょうし。
本が伝えるメッセージ
「AVARANCHE~雪崩~」で彼が伝えたいのは、
“ファンのみんな、僕は壮大な夢を追いかけ実現させてもっとビッグになるから!”
ということでしょう。
仲間との友情・ファンへの想い・感謝について熱く述べてはいますが、不思議と感銘を受けるほどの熱意が伝わってこないのです。
自分のペースで次々に語っていくスタイルには、すべてを置き去りにして突っ走っている印象が残ります。
本書の中に出てくるビル・ゲイツやマイケル・ジャクソンといった偉大な人たちに感銘を受けて導き出した彼の答えは、熱く夢を語る子供のように映ります。
まるで
“ボクの夢をみんなに語ってあげる”
“ボクのファンなら理解してくれるよね”
と言っているようです。
しかも、「内容全てが夢を語るための前振り」にされているような印象さえも感じます。
感想
この本を読み終わったあとの彼の印象がコレ。
破天荒で自由奔放なわがまま男子
世間知らずのまま大人になったガキ大将
裸の王様
僕はアンチ手越祐也ではありません。
もう一度言いますが、もともと興味すらなかった一般男性です。
ちょっとね・・・。
おもしろポイント
【根っからのアイドル】
自由奔放・唯我独尊・喧嘩上等、そんな彼の気質をこれでもかと言わんばかりに、うかがい知ることができます。
それを包み隠さずアプローチしている姿は、いまのアイドル達とは比べ物にならないくらい異質で、次のページへと好奇心を掻き立ててくれます。
もしかすると、全てが自分中心と錯覚してしまう世界だからこそ、客観性を身に着けることができなかったのかもしれません。
そんな彼の言動は、”子供のまま大きくなってしまった男性“として映り、正直、滑稽に感じてしまいます。
その反面、彼が強靭なメンタルをもった根っからのアイドル気質だからこそ、独立して一人になったこれからも、スターとして返り咲く可能性があるのではないかと思います。
この本を読み終わった頃には、きっと、
いつか彼が、
いい意味でも、悪い意味でも、何かしでかしてくれるんじゃないかと心によぎるハズです。
残念ポイント
【多くの人が気分を悪くする】
この本を読んだあと、心の隅に引っかかるような不快感と、後味の悪さが残ります。
一言で表すなら、
「読む人すべてを不快にさせる本」
登場する有名人や、ジャニーズの元メンバーでさえも、いい気分はしないと思います。
例外は、彼を支え理解しようとする熱烈なファンだけではないでしょうか。
- 前振りとしてだけ使われる有名人
- ジャニーズ&芸能人に対するマウントアピール
こういう場面を至る所で目にします。
そのなかで、特に不快だと感じた部分です。
『テラスハウス』木村花さんの死
この見出しでは、有名番組『テラスハウス』に出演していた木村花さんについて書かれています。
ですが、単なる前振りにしか過ぎませんでした。
“木村花さんがこの世を去ってしまった”という事象だけを述べたあと、SNSに対する向き合い方について自論を語っています。
一つの見出しとして掲げてある割に、”単なる前振りとして使われているだけ“の扱いという印象です。
せめて、お悔やみの言葉を一言でも添えたうえで、木村花さんに対して語り掛けるような文面であれば、読者がこんなにも心を痛めるような結果にはならなかったと思います。
最近のニュースでも大きな話題となった悲しい出来事を、このタイミングであえて取り上げてまで書いた内容にしては、あまりにデリカシーが無さすぎます。
見出しや文面を考えるべきだと怒りを覚えるポイントでした。
とにかくマウントアピール
この本は彼のエッセイ本なので、彼の考え方や視点で書かれていることは理解しています。
NEWSのメンバーをはじめ、ジャニーズ事務所に所属するたくさんの有名人が登場します。
- 歌の上手さ
- ダンスの上手さ
- 人気
それらを話題にして、相手の実名を挙げてマウントアピールされています。
それはジャニーズだけにとどまりません。
「金髪にした理由」
この見出しでターゲットにされたのが
俳優の「山本裕典」です。
あらすじは、こうです。
手越祐也の元にドラマのオファーが舞い込んだ。
TBSドラマ『あぽやん~走る国際空港』
だが、黒髪にしないといけない配役だったので断った。
そして最後に、
(僕がやるハズだった役は山本裕典が勤めました。)
ドラマのタイトルが書かれていて調べれば分かることなのに、最後の締めくくりに()を付けてまで書く必要があったのでしょうか?
「ボクが断ったおかげ」と言っているようなものです。
このようなマウントアピールがとにかく多い。
彼自信を引き立たせるために引き合いに出されている有名人もいて、これを読んだ本人たちはきっと不快感を抱くのではないでしょうか。
まとめ
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
ここでは「AVALANCHE~雪崩~」についてご紹介しました。
結論、
エッセイの本質ともいえる、良くも悪くも問題作
一部で”長いものには巻かれろ”的な部分が見え隠れしますが、基本的には言いたいことは言うというスタンスで書かれています。
エッセイ本としての、“自由な形式で、自分の意見などを述べた散文。随想。”という本質そのものだと思います。
一般的には「イメージを崩さないように、秩序を保って礼儀正しく」書かれていたり、あるものは添削のせいなのか別人が書いたと思えるようなエッセイ本さえあります。
それらと比べると、文章からも「手越祐也」という人物がありのまま表現されています。
この「AVALANCHE~雪崩~」が、手越祐也そのものだと言えます。
この本を読めばまるわかりだね!
ジャニーズ事務所を抜けて、これから世界を舞台に活躍の場を広げようと考えている彼にとって、いまは無限の可能性を感じているに違いありません。
より活躍を見せたアイドルもいます。
いままでに独立して堕ちていくアイドルもいます。
反対に、自由奔放で破天荒キャラが持ち味でグループのセンターを飾るほどの人気者が、そのスタンスを崩せずに
この本を読んでみると、どうしても後者の人たちを彷彿として切り離せなくなってしまいます。
この本に表現されている彼の人間性のままでは、もしかすると、
本のタイトル「雪崩」の言葉通り、“いままで積み上げてきたものごと大きな雪崩となって崩れていってしまう”
のではないかと強く思うのです。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
この記事を読んで気になった方は、「彼の未来がどっちへ向かうのか」予想してみてはいかがでしょうか。